平成30年の年柄

 めでたくも平成の御代三十年を迎える。天皇陛下の一昨年八月の国民に向けられたお言葉は驚愕の念をもって受け止められ、論議を呼んだが、一両年内のご譲位との運びとなってきた。
 
 天皇陛下は、お自ら仰せられたように、全身全霊をもって国民の安寧と幸せを祈るのを務めとしてこられた。天皇は日本の祭り主とよくいわれるが、すべてのご行動はその祭りと祈りの具体的な表われであり、祈りとご行動とは表裏一体である。君民一体の日本社会が将来にわたって変わることなく、皇室と国民との紐帯のままに安定的に日本の将来を築いて行けるよう、国民の前に問題を提起された。そして安定的な君民関係の継承と発展のために、あえてご譲位を決断せられたのである。
 
 本年は第一次世界大戦の終結から満百年。前年のロシア革命からソ連崩壊まで七十四年だが、戦後の長さはそれに匹敵しつつある。第一次大戦の戦後処理が第二次大戦の遠因となり、その後の歴史を形作ってきたといえる。近年再び十九世紀化しているように見える世界状勢を考えるとき、心して顧みるべき歴史である。
 
 さて、平成三十年戊戌九紫の年。戊も戌もよく似た文字で、戌(いぬ)は戊(つちのえ)と一の合字といわれる。戊は矛の古字であり、戈(ほこ)の形にかたどったもので、斧のような刃がついた戈といわれる。物を切り捌く鉞(まさかり)であり、武器でもある。戈・戊・戉・戌・戍、みな同類の字であり、相剋、争乱を表わす。相手の抵抗を冒して伐る武器であるとともに、困難を省みず積極果敢に、あるいは無理やりに、危機に立ち向かって進んでいくことも表わしている。
 
 また戊はもと茂であり、樹木が繁茂して枝葉が繁り、日当りが悪くなり、剪定が必要になってきたことを表わしている。成長し続けて極まったピークをいい、次の己(つちのと)は後を引き継いで成長を完成させ整えることを表わしており、伐り捌くものとしての戊とまとめるものとしての己と相対して一体であると考えられる。動乱の時代への予兆を含んでいるとともに、動乱に続く統合和平の意味も秘めているととらえられようか。
 
 十二支では戌だが、動物の犬は人間に近しい最も古くからの家畜であり、現今では家族同様に暮らしている人も多い愛玩動物である。盲聴導犬、災害救助犬、警察犬など、社会に欠くことのできない重要な役割が与えられている例も多い。神社の狛犬は犬と獅子とを合せたものともいわれるが、古く宮廷の祓えの具として置かれた狛犬にさかのぼる。帯祝いや犬張子などの産育習俗に見られる犬とのつながりは、よく知られているところである。また地方によってはお犬様として崇められ、山の神の眷属と考えられたところもある。各地に犬塚と犬塚伝説が残されているが、大津の犬塚は、毒殺されかかった高僧の身代わりになって落命した犬を鎮魂するために築かれたと伝えられている。犬の忠誠心、人と犬とのつながりの深さを表わした伝えといえる。
 
 前述のように、戌は戊と一との合字であり、秋深く草木が繁り終って樹木の陰に一陽が残っている状態。開花結実して枯死寸前の状態である。戌の音ジュツは滅亡の滅メツと同韻で、万物尽き滅ぶ意がある。切り捌いて滅ぼす意味にも通じる。易卦では山地 といい、勢いを増す陰の力に圧倒され、陽気がほとんど尽きかかって一陽がかろうじて残っている形。ただ、枯死してそれで終りではなく、万物は循環するので、結実して生命を更新して新たな胎動につながっていく。五行では金気であり、季節は秋を表わす。金気は改まることを本質とする。刷新、革新、新陳代謝を導く。万物枯死に向う秋、結実し収穫して新たな生命を孕んでいく秋。殺(金気)は生(木気)に対応し、また戊は土気であるが「土生金」で、土は収穫物を養い育てる大本であり、土気がなければ何物も生じない。
 
 そして九星では九紫火星。九は陽数の最高であり、紫は至貴の色。火の性質のゆえに火星(火性)とする。太陽の南中を表わし、太陽光の旺盛なエネルギーで世の中に光を照らし、強力に先導していくことを表わす。五行の相生・相剋では火剋金であり、終末に近いことを表わす金気に打ち勝って、さらに強力なエネルギーをもって、生命力を蓄積、更新し、復活再生して新たな循環を先導していく。戊は積極果敢に困難に立ち向かっていく意味を内包している。ご譲位による御代替わりから、国柄の本質を保ちつつ、世界の潮流に対応した新たな躍進のための胎動期、蓄積期として、進んでいく道を探っていかなければいけない。
(平成30年 近江神宮『開運暦』より)
近江神宮
〒520-0015滋賀県大津市神宮町1番1号
TEL:077-522-3725
FAX:077-522-3860

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ご祭神 天智天皇(天命開別大神)
ご神徳 時の祖神
開運・導きの大神
文化・学芸・産業守護
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・参拝時間     6:00~18:00
・ご祈祷      9:30~16:00
・お守り・御朱印等 
9:00~16:30
・時計館宝物館   9:30~16:30
        (入館16:15まで)
・結婚式打合せ   10:00~16:00
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【参拝所要時間】
参拝のみ:駐車場より10分程度
日時計・漏刻等観覧:5~10分程度~
時計館宝物館: 15分程度~
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車いす利用 時計館横から外拝殿までスロープあり。時計館横に車いす用トイレあり。時計館横まで身障者用自動車は乗入可能
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【祭典行事予定】
◆4月19日 例祭宵宮祭
◆4月20日 例祭
◆4月22日 近江まつり
◆4月29日 昭和祭
トップページ下欄のカレンダー記載の祭典時刻は30分程度早める場合があります。祭典中でもご祈祷はできます。
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